EC サイトを多言語化し、広告も現地向けに翻訳し、SNS も英語で運用している。それでもイギリス市場での反応が芳しくない、という相談を受けることがあります。
原因の多くは、戦略そのものの巧拙ではなく、「誰が、どこで、その戦略を磨いているか」にあります。
日本側で固めた計画をそのまま翻訳して展開すると、現地の文脈に合わせた意思決定が後手に回りがちです。GTM(Go-To-Market)戦略は、本社で完成させてから持ち込むものではなく、現地で検証を重ねながら磨き続けるものです。
ここでは、イギリス進出における GTM 戦略を「現地起点」で設計するために押さえておきたい 3 つの視点を紹介します。
GTM 戦略の出発点は「現地で何を達成したいか」を定義すること
GTM 戦略を設計する前に、まず「イギリス市場での最初の 90 日間で、何を達成できれば前進と言えるか」を定義しておく必要があります。リード数なのか、商談化率なのか、それとも現地パートナーとの提携なのか。この定義が曖昧なままチャネル選定や広告出稿に進むと、後から目的とずれた指標を追いかけることになりかねません。
以下の 3 つの視点は、この定義を実行に落とし込む際に特に見落とされがちなポイントです。
1. 現地に伝わるメッセージング設計
日本語の訴求ポイントを正確な英語に翻訳しても、イギリスの読者に同じように響くとは限りません。
言葉の選び方、ユーモアの効かせ方、信頼を得るための語り口は、翻訳ではなく現地のライターが書いてこそ自然になります。
• 「文法的に正しい英語」と「響く英語」は別物だと捉える
• 業界・カテゴリーごとにイギリス特有の言い回しや慣用表現があることを前提にする
• 訴求の優先順位(価格・品質・スピードなど)が、日本市場と同じとは限らないと考える
当社では、イギリス出身のコピーライター(Sofie)が、現地の読者目線でメッセージングを確認します。「文法は合っているが、こうは言わない」という違和感は、ネイティブスピーカーでなければ拾えないものです。
2. 現地に最適なチャネル選定
日本で機能しているチャネル構成が、イギリスでもそのまま機能するとは限りません。たとえば B2B の意思決定者にリーチする際、日本よりも LinkedIn の比重が高く、業界特化型のニュースレターやイベン
トが信頼構築の起点になることもあります。
• 自社の業界で、イギリスの意思決定者がどこで情報を収集しているかを調べる
• 日本での成功チャネルを前提にせず、ゼロベースで優先順位をつけ直す
• 現地の競合や代替手段が、どのチャネルで存在感を持っているかを確認する
3. 検証と最適化を現地起点で回す
GTM 戦略は一度作って終わるものではなく、最初の数ヶ月は仮説検証の繰り返しです。問題は、その検証サイクルを日本時間・日本の感覚のまま回そうとすると、現地の反応を読み取るスピードが落ちてしまうことです。
• 現地の反応をすぐに拾い、改善案を出せる担当者を置く
• 改善が「本社の承認待ち」で止まらない体制にする
• 数値だけでなく、現地の温度感(商談での反応、SNS のコメントの質など)も判断材料に加える
当社では、イギリス拠点のコミュニケーション・ストラテジスト(Naia)が、本社チームと連携を取りながら、現地での検証・改善サイクルをリードしています。現地に人がいることは、スピードと精度の両方に直結します。
まずは現状を診断することから
GTM 戦略にまつわる問題の多くは、戦略そのものの巧拙よりも、「現地で磨き続ける体制があるかどうか」に起因します。新しい施策を増やす前に、まず今の体制がどこで止まっているのかを診断することをお勧めします。イギリス進出をご検討中であれば、現状の戦略・体制を無料相談で診断いたします。Naia・Sofie を含む現地チームとともに、次の一手をご提案します。



